次のゲストボーカリストは? スカパラ30周年記念歌モノシングルの行方
東京スカパラダイスオーケストラが、2019年8月7日にデビュー30周年記念の“歌モノ”シングルとして、「リボン feat.桜井和寿(Mr.Children)」を発売。
ゲストボーカルは、Mr.Childrenの桜井和寿! ありそうでなかった、そういえばまだコラボしてなかった、桜井さんが満を持して登場。
「リボン feat. 桜井和寿(Mr.Children)」Music Video / TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
いやー、素晴らしき融合!
ここでちょっと気になったのが……この後も歌モノ続くの?ってこと。
スカパラの歌モノといえば、初期(田島貴男・奥田民生・チバユウスケ)から続く「3部作」がお馴染み。実は今回のシングルのリリースもrockinon.comのサイトでは「デビュー30周年第1弾シングルとして制作された」という表記が!
(ちなみに公式サイトには「第一弾」という表記は見当たらず)
スカパラの歌モノは毎回期待しかなくて、「次は誰かな~」と勝手に予想し続けて数年(でも桜井さんの名は何故か思いつかなかった……)、遂にストックが切れてきたのでここに書き残しておこうと思う。
予想しているのは4人。個人的希望が強い&可能性の高そうな順に紹介。
吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)
再結集後も順風満帆のイエローモンキーも、2019年12月28日に現ラインナップでの30周年を迎える。30thを冠したツアーも発表している。
スカパラの谷中敦と吉井和哉は同い年で、2016年には谷中さんのインスタにも登場。
正直、これはあり得るし、あってほしい組み合わせ。
草野マサムネ(スピッツ)
ありそうでなかったで言うと、スカパラと同時期デビューのスピッツもそう。スピッツは1987年結成、1991年デビューでスカパラデビュー30周年とは被っているわけではないけども、2018年末の話、スカパラメンバーとスピッツメンバーが一緒に写る画像を見て期待が膨らんだ。
まずはまたしても谷中敦インスタ。「#草野マサムネ」「#スピッツ」タグもついている。
こちらは茂木欣一Twitterの画像。このTweetのコメントにも、ゲストボーカル草野マサムネ待望論も。
【 #WWW18 の思い出】
— 茂木欣一 (@kin_drums) November 7, 2018
スピッツ・﨑山くんと。スピッツもフィッシュマンズも1991年デビュー組。不動のメンバーで活動を続けている彼らの存在はかけがえのないもの。沖縄で「涙がキラリ」聴けて、切なくてキュッとなったよ〜。いつかスカパラと対バンしてもらえたら嬉しいなぁ✨✨ pic.twitter.com/jntAvXvtJB
この後の二組は可能性は低そうだけど、個人的希望が強いので一応書いておく。
浅井健一
ベンジーとスカパラの繋がりは意外と深い。2006年、待望の個人名義でのリリースが決まったベンジーの1stシングル「危険すぎる」に茂木欣一が参加。それに伴うツアーには欣ちゃんに加え加藤隆志も帯同。そして、2008年にスカパラを脱退した元メンバーの冷牟田竜之は、再始動最初の音源をベンジーのレーベル「Sexy Stones Records」からリリース。これはちょっと遠い縁だけども、BLANKEY JET CITY時代の中村達也はスカパラにサポートドラマ―として参加したこともある。
岡村靖幸
一番可能性は低そうだけど、スカパラ×岡村ちゃん、想像しただけでワクワクする。
1999年リリースのスカパラのシングル「火の玉ジャイヴ」のカップリング曲、「情熱のイバラ」の作詞に岡村靖幸の名前がクレジットされている。
予想、1人でも良いから当たるといいな~。(女性ボーカル編も近々書く予定★)
読後感がすごい歌詞の曲
実際に本を読むときは、どちらかと言えばリアリティのあるノンフィクション作品が好きなのだけれど、まあ、大抵の曲は「フィクション」か「事実を元にしたフィクション」だろうけど。その中でも特に、フィクション色が強くて、聴きおわった後の読後感がすごくて、大好きな物語をいくつか紹介したい。
●真島昌利/アンダルシアに憧れて
セルフカバー……とは個人的に思っていなくて、この曲はマーシーだから情景が浮かぶのであって。とにかく、短い物語だけど、西欧の街並み、悲しき運命、ホームの端でいつまでも待ち続ける彼女……泣ける。
「コンクリートにキスをした」って表現が出るあたり、小説たくさん読んでるのかなとか想像してみたり。
●THA BLUE HERB/路上
これはもう、余計な言葉は不要。聴いてもらうのが早い。この曲を聴いて以来、「カルマ」を意識して生きるようになった。最後のブルージーな「路上~」のエンドロールも良い。
●矢野絢子/ニーナ
長いので2本に分かれているけど……長い長い旅を経た椅子の物語。これはもうイラストつけて教育番組とかで流してこどもたちに聴いて欲しい曲。奇跡的にライブで聴いて涙した思い出。(ちなみに対バンは在りし日の野狐禅!)
バンプの「K」とかも考えたけど、知られ過ぎているので「知ってもらいたい」気持ちを優先することにした。また、気が向いたらピックアップして紹介してみよう。
※チバユウスケの歌詞に出てくる主人公の名前とかまとめるのも楽しそう!
ナンバーガール再結成に対するミュージシャンたちの反応が興味深かった
2019年2月15日(金)正午、遂にNUMBER GIRL(ナンバーガール)の再結成が発表された。
【お知らせ】
— NUMBER GIRL (@numbergirl_jp) 2019年2月15日
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZOへの出演が決定致しました。#numbergirl#ナンバーガール pic.twitter.com/BeB91y7kEV
1995年に福岡市博多区で結成し、2002年に解散したバンド、ナンバーガールが再集結しライジングサンに出演します。 https://t.co/rPP3MiEGpz
— Matsuri Studio (@MatsuriStudio) 2019年2月15日
メンバーたちも気合十分(?!)。
宜しくお願いします!!(わー!) https://t.co/0aZNjJCnDY
— 田渕ひさ子 (@__hisako) February 15, 2019
うわ〜頑張らんとな〜
— アヒト イナザワ (@ahitoinazawa) February 15, 2019
宜しくお願い致します。 https://t.co/5VKLgy3VG3
— 中尾憲太郎 (@kentaro_nakao) February 15, 2019
※Tweetはないが、向井秀徳の公式コメントはこちら。2018年、フェス「夏の魔物」でメンバーとの写真が出回っていたのを思い出した人も多いのでは?
■ミュージシャン仲間たちも続々と反応
様々なミュージシャンが即座に反応していて、それぞれの厚い想いや近い間柄だからこそのコメント・エピソードが興味深かったので並べてた。
ナンバーガール再結成か。そういや偶然駅や楽屋で向井氏としょっちゅう会ったが初耳だった。そらそうか。まぁ、それも良いがコレを観てくれ。https://t.co/iA4x1n9503
— 岸田繁 (@Kishida_Qrl) February 15, 2019
ナンバーガール再結成の報を聴き90年代末くらいのことを、ふと思い出した。
— 七尾旅人(本日アルバム発売📀) (@tavito_net) February 15, 2019
当時はロックって人殺しみたいな目つきのやつがやるもんだと思ってたし、自分も人殺す勢いで天使の歌とか歌ってた。裏声&4つ打ちで。笑
観にいきてーな。
㊗️ナンバーガール㊗️
— Guitar Wolf (@GuitarWolfJet) February 15, 2019
ギターウルフ with 中尾憲太郎!#LOVEandJETT pic.twitter.com/EZfKcem2J6
BOBO(54-71)
どうせパンパンで入れなそうだから武道館でやってや!#ナンバーガール
— bobo_drums (@bobo_drums) 2019年2月15日
わああああああー! 😭 🎉
— haradaikuko (@ooo195ooo) 2019年2月15日
■後輩ミュージシャン達も歓喜
後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
おー!ナンバーガール!!
— Gotch (@gotch_akg) February 15, 2019
ついにそのときがきた…… https://t.co/wv9gEw31vi
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) February 15, 2019
すごいとか、うれしいをこえて、いちばんに「怖い」っていう気持ちになっている。宇宙からサノス来た、みたいな。笑
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) February 15, 2019
この記事でも軽く話してますけど、生演奏がいちばん「怖い」んですよね。ナンバーガールの生演奏は誰よりも「怖い」。殺されないように頑張らないと。 https://t.co/5RkmpRZRih
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) February 15, 2019
に、しても僕らがバンド結成17周年しているときに、ナンバーガールが17年ぶりの再結成をするなんてね……なんかもうほんとに怖いし嬉しい!やば!
— Base Ball Bear 小出祐介 (@Base_Ball_Bear_) February 15, 2019
ナンバーガールに影響受けてるバンドはカッコいいに違いない!といろんなBBS(掲示板)で告知してるバンドを片っ端から聴いて衝撃を受けたバンドが凛として時雨。
— ピエール中野 凛として時雨 (@Pinakano) February 15, 2019
ナンバーガールと見たいツーマン有りすぎる問題。全部やってくんないかな…。
— ピエール中野 凛として時雨 (@Pinakano) February 15, 2019
澤部渡(スカート)
マジかよ……ナンバーガール!!
— 澤部渡 (@skirt_oh_skirt) 2019年2月15日
ナンバガ再結成!?マジで?マジか?最高😭😭😭
— enon kawatani (@indigolaEnd) February 15, 2019
の子(神聖かまってちゃん)
ナンバーガール
— の子 (@0u0HaNako666) 2019年2月15日
って聞くだけで
胸がドキドキするからやめて
みんなナンバーガールの話題!良いことなので私も21歳のただの大学生だった時に向井さんとファンダンゴで撮って頂いた記念写真を載せておきます! pic.twitter.com/RvbEgxEydK
— 劔樹人 '19 (@tsurugimikito) 2019年2月15日
日高光啓(AAA)
ナンバーガール再結成は興奮しますコピーして叩いてましたさすがに世代です
— SKY-HI(AAA日高光啓) (@SkyHidaka) 2019年2月15日
あーちゃん(きのこ帝国)
大阪から帰っているメンバーの車内が騒然としています https://t.co/sVINoCCiNb
— あーちゃん🌏⚫️🎹🏆きのこ帝国 (@a_chanjai) February 15, 2019
DJありがとう
ナンバーガール再結成、上岡龍太郎が復帰しないでいる感じでもいて欲しかった気もしないでもない。嬉しいけどね!
— DJありがとう (@dj_arigatou) 2019年2月15日
「小沢健二をみんな聞いてた」「あの頃の夏はみんなサマーヌード聞いてた」に続く「若者はみんなナンバーガールに熱狂してた」という架空の日本がまた出来上がるのかな?
— DJありがとう (@dj_arigatou) 2019年2月15日
■一方、ZAZEN BOYSは……
ZAZEN BOYSは現在レコーディング中 pic.twitter.com/68Ti7GJYJ4
— Matsuri Studio (@MatsuriStudio) February 13, 2019
ナンバーガール再結成の向井氏コメントとあわせたtofubeats(トーフビーツ)のコメント。
一方で稼ぎてえと今のザゼンボーイズに思わせているツラさもあるので次のアルバムちゃんと買お…
— tofubeats (@tofubeats) February 15, 2019
あとは、ナカコー、フルカワミキ、THA BLUE HERB、吉野寿(※b●n●b●sの人と同じ理由で無さそうだが……)、曽我部恵一、竹原ピストル、MOROHA、吉田一郎不可触世界あたりからの反応を知りたいな、と個人的には。
最後に……再結成の恩恵か色々なレア画像が出回っていますが、一番「おっ」となったのを貼っておきます。田渕ひさ子が持っているのは『Bunched Birth』!
※Tweet主さんものちに訂正されていますが、正しくは2000年だそうです。
2002年、初開催のROCK IN JAPAN FESTIVALでのオフショット。バックステージでイエローモンキーのインディーズアルバムにサインを貰う、田渕ひさ子(ナンバーガール)と吉井和哉。 pic.twitter.com/Nh0E4z5hz0
— オフィスRBD (@officeRBD) 2019年2月15日
Rage Against the Machine「Know Your Enemy」でライブ客演するMaynard James Keenanの動きを比較してみた
タイトル長っ、な記事ですが、ご勘弁を。
最近、Rage Against the Machine(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)熱が個人的に再燃しており、全アルバムを引っ張り出して聴き直している。DVDやYou TubeでPVやライブ映像も観返している。
もちろん1曲には絞れないが、中でも特に好きなのが「Know Your Enemy」。
同曲のライブ映像を観ていて気づいたことが。誰かいる。途中で歌っている。
そう、Maynard James Keenan(メイナード・ジェームス・キーナン)。
Tool(トゥール)、A Perfect Circle(ア・パーフェクト・サークル)などでもお馴染み。
そう、今までそんなに意識してこなかったが、この曲の中盤のシャウトは、Zackの声じゃないんだった。調べてみるとMaynardだと(当然)判明。なので、ライブにもたびたび客演している、ということに今さら気が付いたわけで。
で、いつくかのライブ映像を観ているとMaynardの振る舞いにわりと顕著な違いがあることを発見。順番が回ってくるまでの待ち方、登場の仕方、去り方……観てもらうのが一番早いと思う。時系列に比較してみる。
1993/8/29 Paradise Festival@オランダ
今回、比較してみたいと思ったきっかけの動画。
演奏開始からちょいちょい映るMaynard。直立不動。所在なく立ち尽くして、居心地悪そうに待機している。廊下に立たされた生徒のよう。
1:25ころから出番。Zackからマイクを受け取る時も少しずつ近づいてきて不審な感じ。
待機中は、腕は前で組んでいる。ダイジェスト映像のため、最後まで残っていたかは不明。
1994/6/24 Glastonbury Festival@イギリス
イントロから頭を動かしてリズムに乗っていて、1年前から変化が見られる。
2:30ころのザックからのマイクタッチも気持ちスムーズだったような。
腕は正面で組んでいる。歌った後もステージに残り「All of which are American dreams」の繰り返しの途中で袖に引き返す姿が。
1999/10/10 Coachella@アメリカ
「Know Your Enemy」自体は16:40ころから。
イントロが始まってから約1分弱。ステージ袖よりのそのそと登場。
今ではお馴染となったスキンヘッドに変わっている。
腕は後ろに組んで、顔でリズムをとっている。
そして、今回はMaynard用のマイクが用意されている。Rageがデカくなった証拠か。
シャウトが終わった後はザックとハイタッチ&じゃれ合ったような様子も。(ザックが一方的に?だとしても珍しい)
照れ隠しなのかその後は、演奏が終わるのを待たずに、携帯電話に出て去っていくという(パフォーマンスも)。
余談だが、2018年のインタビューでは、ライブでの携帯電話の使用についてこんなことを言っていた。
どの回も、実はというかやはり、TOOLも同じフェスに出演しているということが分かった。
それから、TOOLのドラマーDanny Careyと思しき人物が、毎回Maynardの歌唱中にBradのドラムを叩きに登場している。あまりガッツリは映っていないがおそらくそうだろう。こちらの二人はハイタッチしたり、笑いあったり良い感じ。
ということで、こうやってじっくり比較してみるのはなかなか面白い。他のバンドでもやってみようかな。
※それにしても、Rage復活してほしい。A Perfect Circleは14年ぶりの新作(2018年)出してるよ。
サニーデイ・サービス 丸山晴茂に捧げる3曲。
サニーデイ・サービスのドラマー、丸山晴茂さんが亡くなった。
長引く体調不良により、バンドから離脱していたが、久々に曽我部さんから発表された近況はまさかの訃報だった。
2017年に発売された『青春狂走曲』の中で語られていた、晴茂さんによる離脱の真実はとても衝撃的な内容だった。
皆が「いつか」と待っていたバンドへの復帰は叶わなくなってしまったが、彼がサニーデイ・サービスで残した音は永遠に消えない。
知り合いでもなく、会ったこともなければ、一度も演奏する姿を生で観たこともないのだけれど、1リスナーとして感謝を込めて、勝手ながらこの3曲を捧げます。
●サニーデイ・サービス/桜 super love
離脱中の晴茂さんのことを歌っているとも言われる一曲。曽我部さんが、この曲の入った『DANCE TO YOU』のレコーディングをこう振り返っていた。
晴茂くんは途中から来なくなったけど、晴茂くんが叩かないんだったら自分で叩くと思って、俺が何曲かで叩いているんです。だから、晴茂くんは不在だけど、そこも晴茂くんの何らかの意味があるとは思うんですよね。
「君がいない」の意味が変わってしまった今、サビの歌詞を聴くと胸が苦しい。
●おとぎ話/ONLY LOVERS
晴茂さんがTwitter(丸山晴茂 (@haruru6106) | Twitter)でこんなことをTweetしていたのを思い出した。
おとぎ話。はまってます。
— 丸山晴茂 (@haruru6106) 2014年10月7日
明日。朝早いのだけど、、眠れない。もう起きとく。倒れるまで…。関係ないが~おとぎ話にはまってしまいました。いいバンド。遅すぎ…?ですか?。だろうね~
— 丸山晴茂 (@haruru6106) 2014年10月9日
2018年6月6日におとぎ話の新しいアルバムが出たんですけど、晴茂さん、もう聴きましたか?
●尾崎友直/晴れた日に
晴茂さんに捧げた曲とも取れるような歌詞。
でも、この曲が収録されたアルバムは2018年3月に発表されているから、実際はそんなことなくまったくの偶然なのだけれど、あまりにも晴茂さんを思い出す歌詞に、涙が溢れ出してしまいそうになる。
同じROSE RECORDSのレーベルメイトだけどこの二人に面識があったかどうかは分からない。訃報を聞いた翌日に、この曲をたまたま聴いていて、驚いた。それまでも何回も聴いていたのにまったく気づかなかったけど、これは晴茂さんのことを歌っているんじゃないかって。
まず、曲名が「晴れた日に/On a Sunny Day」。
そして歌詞の端々にも晴茂さんの影が。
何回だって失敗してしまう事ってあるよね
悪いと分かりながらやってしまう事とかさ
ある青年は薬物を克服した
ある人はアルコール依存症と闘っている
空はこんなに爽やかで
もうすぐ大好きな五月が来るっていうのに
それでも必ず希望は僕を見てる
君ならやれるって僕を見てる
晴茂さんの不在について、曽我部さんはこんなことも言っていた。
そう、サニーデイ・サービスはこれまでもこれからも、ずっとそのままだ。
──メンバー3人がそろわなくてもいいんですね。
全然いい。「LOVE ALBUM」(2000年9月リリース)を作ったときは参加してるミュージシャン全員をサニーデイ・サービスっていうコミューンの中に入れちゃおうって思ってたんだけど、でもやっぱり違うんだよね。サニーデイ・サービスは3人で始めた3人の物語だし、たぶん誰かが死んでもきっとそのままなんだよ。
──誰かが死んでも続いていく?
そう、死んでてもいいの。もはや死んだからってそれがなんなの?っていう感じがある。なんで死んだくらいでバンドやめなきゃいけないのかって話でさ。
──X JAPANのライブに行くと今もHIDEがいる、みたいなものですか?
そういうこと。そういうの最高じゃん(笑)。
──死んだとしても家族は家族のままですしね。
そうそう。遺影を置いてみんなでごはん食べたりしてるし、死んだから終わりってことでもない。もし今後どんだけ仲が悪くなったとしてもこれは3人で始めたリアルな物語だから。それは絶対に変わらないことですね。
最後に 「晴れた日に/On a Sunny Day」の一節を。
きっとみんな晴茂さんのことを、こう思い続けるだろう。
「青空の下であなたを愛してる」。
本当にありがとう、おつかれさま、さようなら。
解散したバンドの曲を演奏することの是非
ちょっと前の話。
2016年7月末、猪苗代湖畔で行われたフェス「オハラ☆ブレイク’16夏」のステージで、チバユウスケがTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「GT400」を歌った。それはTwitterでトレンド入りするほど話題にもなった、ちょっとした"事件"だった。なぜなら、チバはこれまでROSSOでも、The Birthdayでも、The Golden Wet Fingersでも、そして今回「GT400」を演奏したユニットMidnight Bankrobbersでも、ミッシェルの曲を歌うことはなかった。アベフトシが亡くなった時も。それが、なぜここにきて急に歌うことになったのか。酒が入っていたからか、ロケーションか、理由なんてないのか、それはチバのみぞ知ることだ。
わずか15秒程度だが公式動画にて音源もアップされている。下記の動画2:52~3:06。その前に確信犯的に中村達也のドラムが入っているのも粋。
さて、この"事件"を機に、解散したバンドの曲をソロや新バンドで演奏することの是非について考えてみた。これはしばしば音楽ファンの間でも論争になるテーマではないだろうか。
好きなバンドと同じ時代を生き、聴き、体験できるならそれに越したことは無い。でも、必ずしもそれが叶うとは限らない。好きになった時にはもうそのバンドが解散しているなんてことはよくある。私の例だと、ミッシェルはもちろん、BLANKEY JET CITY、THE BLUE HERTSなんかがそうだ。海外のバンドであればThe BeatlesやNirvanaなんかがそう。元メンバー達のライブでそのバンドの曲が演奏されたら、喜ぶ人もいれば、哀しむ人もいる。どちらの感情も入り交じった複雑な思いを抱く人もいる。そのバンドへの思い入れやシチュエーションにもよるだろう。
では、ミュージシャン側はどうだろうか。過去の曲は絶対に演奏しないミュージシャンと、今でもライブで演奏するミュージシャンの例を挙げて比較してみたい。
チバと同じく、解散したバンドの曲を演奏しない、というので真っ先に思いつくのは、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトと真島昌利だ。THE BLUE HERTSとTHE↑HIGH-LOWS↓をふくめ、30年以上一緒にバンドを続けている彼らもまた、昔のバンドの曲を演奏しない。厳密にいうと、客演や知人の結婚祝いで解散したバンドの曲を歌ったことはあったものの、世の中に出回っている情報は片手で数えるほどだ。ある時、THE↑HIGH-LOWS↓のライブで「リンダリンダ歌って~」という客席からの声にヒロトが「うるさい!」と一喝した話はファンの間で有名だ。それから、特にTHE BLUE HERTSの曲は今でもCMやドラマで流れることが多いため、新しいファンも増え続けている。でも、彼らが過去の曲を演奏することは今のところ、ない。一貫して「今、ロックンロールだと思うことを追求する」というスタンスはずっと変わっていないし、それを知ってる多くのファンも、彼らに過去の曲の演奏を求めてはいない。
一方、解散後もバンドの曲を演奏するミュージシャンもいる。たとえば、浅井健一。BLANKEY JET CITY解散後、ソロやSHERBETS、JUDE、PONTIACSなどの様々なバンドを続けてきた。
ベンジーは今でもソロ名義のライブでブランキーの曲を演奏することがあり、なぜ昔の曲を演奏するのか?と聞かれ「やりたいから。やっぱり解散したばっかりは嫌だよ。しばらく経つと、自分も好きだし、いい歌だと思うし。やればいいじゃんって思う。死んだらやれないし。誰も歌わなくなっちゃうし」と答えていた。
※動画に詳細は記載されていないが、前半の発言は2006/10/16「CX0153 FACTORY 0916」かと。
ちなみに、ベンジーはこの時、ヒロトのことにも言及している。「あの人だって「リンダリンダ」とか歌えばいいのにね。なんかあるんだろうけどね。みんな喜ぶからやればいいのにね。カッコいい曲だしさ」と。そんな二人は、奇しくも2016年のFUJI ROCK FESTIVALの前夜祭で、解散したRamonesの曲で競演していた。(6:30くらい~)
そして、解散したバンドの曲をソロライブで解禁し、挙句の果てに再結成……いや、再結集してしまった例もある。吉井和哉。THE YELLOW MONKEYを自らの手で解散させた男は、ソロになってからも(けっこう早い段階から)「LOVE LOVE SHOW」や「JAM」を演奏していた。時には、元メンバー菊地英昭をギタリストとして従えて。THE YELLOW MONKEYのファンクラブ(Petticoat Lane)に入っていた私は、とても複雑な気持ちだった。家に届いた解散通知、笑顔の解散インタビュー、吉井の自伝での告白……そこにきて、過去楽曲の解禁。何度傷つける気だ。ソロライブで演奏したTHE YELLOW MONKEY楽曲のファン投票企画が発表された時にはさすがに絶句した。もう、再結成してくれよ、と思ったものである。何はともあれ、ソロ時代を無事に成仏させた吉井は、THE YELLOW MONKEYを再結集してくれたので、あのころ、私と同じく複雑な想いを抱いていたファンたちもようやく安心したのではないだろうか。
The Flipper's Guitar(2017年のフジロックに何かを期待した人が多かった模様……)、BOΦWY、JUDY AND MARY、NUMBER GIRL、SUPERCAR……解散後の楽曲演奏について比較すべきバンドはまだまだたくさんある。しかし、結論は出ないだろう。なぜなら、そもそも是非を決めることではないからだ。権利や契約、メンバー間での約束など当人たちしか分からない事情があるだろう。そこに介入はできない。もしそういった制限が無かったとしても、気持ちの問題が残っている。ただ、音楽ファンとして望むことは、解散したバンドの曲は無理してやらなくていいけど、やりたくなったらやってくれ、ということ。死んだらやれないんだから。
サニーデイ・サービス『Popcorn Ballads』POP UP SHOPに行ってきた
2017年6月2日に配信のみで突如リリースされた、サニーデイ・サービスのNEWアルバム『Popcorn Ballads』。アルバムはもちろんすぐに聴いたが、すでに各所で絶賛されている通り、物凄いアルバムである。
2016年、各方面で年間ベストに取り上げられた大傑作『DANCE TO YOU』の興奮冷めやらぬ中、突然のリリース。全22曲85分の大作。現時点ではApple MusicとSpotifyでのストリーミング配信のみ。そして、アルバム発売を記念して6/8(木)〜6/14(水)には期間限定でポップアップショップがオープン。ちょ、ちょっと、怒涛の情報量で理解が追いつかないよ……。
ということで、このサニーデイの新譜をより深く理解すべく、さっそくポップアップショップに行ってきた。
ようこそ
はじめまして。
このブログはとあるバンドに関する記事(いつかアップします)を公開するために、ずっとあたためていましたが、その他にもいろいろと思うことを書いていきたく開設しました。これまでに出会ってきた、そしてこれから出会う、心臓の奥底につきささるような曲や詞やバンドやライブのことなどについて気ままに書いていきます。新たな音楽との出会いのきっかけになればこれ幸い。