サニーデイ・サービス 丸山晴茂に捧げる3曲。
サニーデイ・サービスのドラマー、丸山晴茂さんが亡くなった。
長引く体調不良により、バンドから離脱していたが、久々に曽我部さんから発表された近況はまさかの訃報だった。
2017年に発売された『青春狂走曲』の中で語られていた、晴茂さんによる離脱の真実はとても衝撃的な内容だった。
皆が「いつか」と待っていたバンドへの復帰は叶わなくなってしまったが、彼がサニーデイ・サービスで残した音は永遠に消えない。
知り合いでもなく、会ったこともなければ、一度も演奏する姿を生で観たこともないのだけれど、1リスナーとして感謝を込めて、勝手ながらこの3曲を捧げます。
●サニーデイ・サービス/桜 super love
離脱中の晴茂さんのことを歌っているとも言われる一曲。曽我部さんが、この曲の入った『DANCE TO YOU』のレコーディングをこう振り返っていた。
晴茂くんは途中から来なくなったけど、晴茂くんが叩かないんだったら自分で叩くと思って、俺が何曲かで叩いているんです。だから、晴茂くんは不在だけど、そこも晴茂くんの何らかの意味があるとは思うんですよね。
「君がいない」の意味が変わってしまった今、サビの歌詞を聴くと胸が苦しい。
●おとぎ話/ONLY LOVERS
晴茂さんがTwitter(丸山晴茂 (@haruru6106) | Twitter)でこんなことをTweetしていたのを思い出した。
おとぎ話。はまってます。
— 丸山晴茂 (@haruru6106) 2014年10月7日
明日。朝早いのだけど、、眠れない。もう起きとく。倒れるまで…。関係ないが~おとぎ話にはまってしまいました。いいバンド。遅すぎ…?ですか?。だろうね~
— 丸山晴茂 (@haruru6106) 2014年10月9日
2018年6月6日におとぎ話の新しいアルバムが出たんですけど、晴茂さん、もう聴きましたか?
●尾崎友直/晴れた日に
晴茂さんに捧げた曲とも取れるような歌詞。
でも、この曲が収録されたアルバムは2018年3月に発表されているから、実際はそんなことなくまったくの偶然なのだけれど、あまりにも晴茂さんを思い出す歌詞に、涙が溢れ出してしまいそうになる。
同じROSE RECORDSのレーベルメイトだけどこの二人に面識があったかどうかは分からない。訃報を聞いた翌日に、この曲をたまたま聴いていて、驚いた。それまでも何回も聴いていたのにまったく気づかなかったけど、これは晴茂さんのことを歌っているんじゃないかって。
まず、曲名が「晴れた日に/On a Sunny Day」。
そして歌詞の端々にも晴茂さんの影が。
何回だって失敗してしまう事ってあるよね
悪いと分かりながらやってしまう事とかさ
ある青年は薬物を克服した
ある人はアルコール依存症と闘っている
空はこんなに爽やかで
もうすぐ大好きな五月が来るっていうのに
それでも必ず希望は僕を見てる
君ならやれるって僕を見てる
晴茂さんの不在について、曽我部さんはこんなことも言っていた。
そう、サニーデイ・サービスはこれまでもこれからも、ずっとそのままだ。
──メンバー3人がそろわなくてもいいんですね。
全然いい。「LOVE ALBUM」(2000年9月リリース)を作ったときは参加してるミュージシャン全員をサニーデイ・サービスっていうコミューンの中に入れちゃおうって思ってたんだけど、でもやっぱり違うんだよね。サニーデイ・サービスは3人で始めた3人の物語だし、たぶん誰かが死んでもきっとそのままなんだよ。
──誰かが死んでも続いていく?
そう、死んでてもいいの。もはや死んだからってそれがなんなの?っていう感じがある。なんで死んだくらいでバンドやめなきゃいけないのかって話でさ。
──X JAPANのライブに行くと今もHIDEがいる、みたいなものですか?
そういうこと。そういうの最高じゃん(笑)。
──死んだとしても家族は家族のままですしね。
そうそう。遺影を置いてみんなでごはん食べたりしてるし、死んだから終わりってことでもない。もし今後どんだけ仲が悪くなったとしてもこれは3人で始めたリアルな物語だから。それは絶対に変わらないことですね。
最後に 「晴れた日に/On a Sunny Day」の一節を。
きっとみんな晴茂さんのことを、こう思い続けるだろう。
「青空の下であなたを愛してる」。
本当にありがとう、おつかれさま、さようなら。